誰もが生活の本拠をおく我が家は住み心地が良い空間であって欲しいと考えるのは当然です。しかし住み心地や使い勝手はそれぞれの世帯のライフスタイルや家族構成によって大きく異なってくるので、一概には言えないのが現実です。ライフスタイルに着目すれば、日中の活動時間がメインの方と、夜勤や交替制などの夜型生活を送っている方とでは、適切な間取りや周辺環境は違ってきます。また一人暮らしか家族が居るのかによっても、状況は異なります。
一人暮らしの世帯の場合は、部屋の広さよりも生活するのに日当たりが適度でコンパクトに設備や機器がまとまっている間取りの方が、掃除等のメンテナンスもを想定すれば望ましいといえるでしょう。夜型の日常生活を前提にするライフスタイルならば、食事の機会なども考慮すると、徒歩圏内にコンビニなどの商業施設があれば必要なときに食材や食料を調達することが出来て利便性が高くなるはずです。日当たりが良すぎると、夏場は厳しくなるので適切なレベルが望ましいです。
一人暮らしではなく結婚したり同棲していたりすると、一人暮らしを前提にした間取りでは明らかに手狭になってきます。特に問題になるのが収納スペースの確保です。二人分の荷物を収めることができるスペースを確保できていないと、生活空間が制限されて息苦しい生活を余儀なくされるでしょう。家族構成のなかに子供さんが居ると、子育てや周辺地域の治安なども気になるところです。子育てのためにはキッチンの設備も充実していることが必要です。子供の様子を見守りながら調理できるキッチンなどは一つの理想と言えます。買い物に出る頻度も多くなり、急病のときにも安心できるように食品スーパーや病院などの周辺施設もポイントになります。通勤はもちろん、子供が成長したときのために交通機関へのアクセスや学校や塾といった教育関連の周辺施設の充実ぶりも考慮すべきポイントになるでしょう。そして何より子供が安心して遊べる環境のためには、治安状態も事前に確認しておきたいところです。周辺に飲食街などがあれば、日中と夜間とでは通行人の属性が変化し、治安条件は一変する地域もあるほどです。
そして家族構成のなかでも多世代にわたり同居する、二世帯住宅では別の要素も考慮する必要があります。周辺施設や交通機関などの周辺の状況だけでなく、二世帯住宅では人間関係が悪化しないことが何より大事であり、玄関口や食卓などは独立して、適度な距離を保つのが継続するための知恵と言えます。